千葉県公立高等学校事務長会

会長あいさつ


 千葉県公立学校事務長会ホームページに,ようこそおいでくださいました。
 本会は,昭和44年10月に県立学校事務長連絡協議会として,学校の円滑な管理運営と学校教育の向上発展に資することを目的に設立され,幾多の変遷を重ね41年目を迎えます。学校事務と事務長の職務について,会員相互の知識と経験の交換を行い,事務長の資質向上と会員の連携を図るとともに,学校教育の進展に寄与することを目的に,研修・調査・会員の社会的地位の向上を目指し,県・市立各学校の施策事業を事務長の立場で推し進めるとともに,その時々の問題に取組んで,より良い会の在り方を追及してまいりたいと思います。
 この4月からの授業料無償化による内部事務の削減は、今後の事務職員の役割に大きな変化を持たらすのではないかと思います。「高等学校の校内事務の量と質の変化及び事務職員の配置の在り方に関する調査研究報告」によれば、総業務量に対する収入の業務量は、全日制独立校で6.01%、小規模校で11.46%です。ちなみに生産物収入のある農業科設置校は12.75%です。入学料や奨学金収入、生産物収入、財産収入などがあるため、授業料無償化により収入に関する業務がすべて削減されるわけではありませんが、収入に関する事務負担が相当量軽減されることは確かです。授業料とともに収納していた学校徴収金の収納事務が残りますが、効率化を図ることによりさらに削減することができるでしょう。さらに、給与や旅費、服務などの内部管理事務も庶務共通事務処理システム(しょむ2)による発生源入力の拡充や効率化、非常勤職員や嘱託職員の給与や社会保険事務などが総務ワークステーションによる集中処理になれば、現在行っている内部管理事務が相当削減されます。
さて、われわれ事務長は、この効率化や業務削減をどうとらえたら良いのでしょうか?、全国的に見れば学校事務のアウトソーシングが進展していく中、これからの学校事務の役割を当事者が自ら考え、実践していくことが必要と考えています。「高等学校の校内事務の量と質の変化及び事務職員の配置の在り方に関する調査研究」は、平成十八年十二月から平成二十年度に渡り、県教育庁のもと、事務長会・事務職員会・高等学校長協会・特別支援学校長会・教頭会が実施協力機関として、高等学校事務の効率化や学校運営の在り方についての研究に協力したものです。それによれば学校は、自主性・自律性の確立による自律的経営への動きや、組織運営体制の強化による機動的な組織運営体制の実現という大きな変革の中にあり、学校経営は従来に比べると複雑で重要になっている。これからは従来以上に学校に対する生徒や保護者、さらに地域の期待に応えることが重要であり、そのためには質の高い授業や生徒指導が大切となる。よって、学校の教育力の向上が不可欠であり、教員が生徒と向き合える時間やその能力を高めるための時間の確保が必要である。事務職員は教員が生徒と向き合える時間の確保のため、従来の枠にとらわれずに学校経営に積極的に参画し、教員の事務負担の軽減を考える必要があるとしています。
また、学校の自主裁量権の拡大は、自律的な経営を可能とするものであるが、それと同時に保護者や地域住民などへの情報提供や学校改善への積極的な取り組みが求められている。さらに学校に対する生徒や保護者の満足値を上げることも必要であるとしています。
広報や公聴、渉外など教員が担っている総務的な業務などを事務職員が担い、教員の事務負担を軽減することはできないでしょうか。
これまでの事務職員の主な役割は、会計や庶務といったものであり、それら定型的な庶務事務を正確に処理することが事務職員に求められてきました。しかし、これからの事務職員は従来の役割にとらわれず、意識を大きく転換させて、校長の経営を支えるスタッフとして学校経営に参画することが求められています。報告書には企画立案機能、予算編成及び執行機能、広報及び渉外機能、情報管理及びその活用機能、生徒支援機能の強化などが示され、これからの事務職員の役割や、求められる資質・能力が示されています。報告書で求めている機能や資質・能力の向上には研修が不可欠です。事務長会では、研修委員会による全体研修会・初任者研修会、管理・財務委員会・特別支援学校部会による調査研究・研修活動、地区理事を中心とした地区研修活動を行っています。これらの研究研修機能を活用して、求められる機能の強化を図る必要がありますし、事務職員に求められる資質・能力「業務を適切に遂行できる深い知識」、「問題解決能力・柔軟な発想力・正確な事務処理能力・コミュニケーション力・危機管理能力・情報処理力・発信力の向上」についても同じです。それと、学校事務職員が学校経営にどのように係わり、どのような業務を、どの程度負担しているのかという情報を、自ら発信することも重要と考えています。
最後に、平成24年度に全国公立学校事務長会の研究協議会並びに総会が千葉県で開催されますので、ご協力をお願いします。

会長 県立安房高等学校 根本晴久

                                               旧会長    19〜21年度



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