平成17年度 事務長研修会 |
「千葉県個人情報保護条例」について |
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平成17年10月19日(水)
千葉県教育会館新館会議室 |
教育庁企画管理部教育総務課 文書・情報室
畠山 俊彦 副主幹 |
1個人情報保護の背景 | ||
・OECDのガイドライン 多国籍企業からの要請(各国間での商取引バランスから) ・OECDの8原則 「収集の制限、データの正確性、目的の明確化、利用の制限」 |
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2遵守すべき法令 | ||
・個人情報保護の「法律」と「条例」について ・PCデータの漏洩事故が多い状況下にあっても、被害の「届出」は無い ・物品の管理は=個人情報の管理 ・「規則」の「守り」のための「守り」でなく、「個人」の権利を「守る」こと ・事故を防ぐことは企業(=団体)の信用を「守る」こと ・県立学校は県条例下にあり、各校の内規に定めるところによる。事故対策は「管理」 が重要なポイントであり「杜撰かどうか」の分かれ道となる。この案件は「文書化」 し、職員への周知が肝要である。「注意していたにもかかわらず」の記事となる。 |
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3個人情報とは何か | ||
・プライバシーの定義は「個人」が識別されるかどうかがポイント。目的外使用は不可であり、他人のデータは容易に利用しない。利用(予備校等へ)の時はデータの提 供にあたり本人の同意を得た上でが「トラブル防止」となる。 | ||
4原則の遵守 | ||
・不用意なコピーは事故のもとであり、廃棄の方法には注意を要する。名簿等の廃棄はより注意する必要がある。「第12条」は「消防・防災」の開示請求とリンクする。 | ||
5学校としての対応 | ||
・危機管理の手法にのっとって処理すること。他県(神奈川、茨城)では「持出し原則禁止」である。(職務上としても不可である) ・生徒や保護者への周知(特に利用・同意の文書添え)、緊急対応の体制を意識する。 |
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*3つのルール | |
・「管理」とはとにかく鍵をかけることと心得る。 ・事案に困った時は本人に同意を求め、できれば文書にする。 ・事故が起きてしまったときは、細やかに、速やかに対処する。 |
「学校における安全・危機管理」について |
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千葉県警察本部生活安全総務課 犯罪抑止推進室
平田 恵二 警部 |
1 学校侵入事件の発生状況 | |||
(1)過去の主な事件 | |||
・平成13年池田小学校事件 ・平成14年寝屋川小学校事件 ・17年白里高等学校事件 |
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(2)県内における発生状況 | |||
平成16年度4件発生。平成17年度現在までに11件発生している。 | |||
2 不審者侵入時の対応要領 | |||
(1)観察、声かけ | |||
・来校者受付名簿の記載と、受付者の確認できる名札等により、不審者を見分ける。 |
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・留意点として、用件のはっきりしない来校者を案内する場合は、前を歩かないことが鉄則である。 常に来校者を確認できる位置を歩く。 | |||
(2)退去要請 | |||
・相手の話を聞きながら刺激をしないように、ソフトに対応する。学校行事やタイムスケジュールを考慮して説得に当たる。 | |||
(3)他の教職員への周知 | |||
・相手を刺激しないように他の職員へ連絡(周知)出来る手段を統一して置く。 | |||
(4)警察等へ通報 | |||
・警察への通報は躊躇しないで連絡を、5分から10分以内で到着できる体制になっている。 ・110番を活用すること、携帯電話からも110番できる。 |
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(5)別室への隔離 | |||
・不審者が校内に侵入した場合、校舎内を自由に移動できないよう、隔離する場所の確保が最良である。 | |||
(6)緊急時の措置 | |||
・児童生徒の避難や警察の到着までの間、別室への隔離やさすまた等により行動を抑止する。 | |||
・捕まえようとしなくて良い、自身の安全を守ること。 ・侵入者の行動抑止の間に速やかに児童生徒の避難誘導を行う。この場合避難方向避難場所の選択・確保が必要となる。 ・救急車の要請と応急措置を速やかに行う。 ・負傷者の救護に当たっては、不審者からある程度距離を確保する。また、侵入者の行動抑止の段階で負傷者との距離を確保する。 |
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3 安全管理体制の整備 | |||
「千葉県安全で安心なまちづくりの推進に関する条例」 (平成16年2月23日千葉県条例第4号) 「学校等に侵入して行われる犯罪の防止に配慮した学校等の構造、設備及び管理に関する方針」 (平成16年11月30日付教総第322号通知) |
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(1)不審者侵入防止のための措置 (2)施設・設備の点検整備等 (3)安全確保についての体制整備 (4)児童等に対する安全教育の充実 (5)緊急時に備えた体制の整備 (6)保護者、地域及び関係団体との連携 |
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4 防犯器具の種類と取り扱い | |||
(1)刺 股=行動抑止 (2)催涙スプレー=行動抑止(密室での使用注意) (3)ネットランチャー=行動抑止(発砲角度が難しい) |
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5 学校安全をめぐる諸問題 | |||
(1)職員の危機管理 | |||
・振り込め詐欺 平成16年度千葉県で22億円の被害があった。 ・教職員の名簿を入手しているようである。 ・個人情報の聞き出す手口が流行っている。 |
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(2)安全管理上配慮すべき事項 | |||
・必要な情報は収集するしかないが、目的外に使用してはならない。たとえ同一事務所内であっても不可。 |
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6 その他 | |||
・抗議対策=不当要求には対応しない。相手方の言動をメモする。 |
「平成17年度各地区の中核となる事務職員の育成を目的とした研修 (公立高等学校)」の
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9月12日(月)〜16日(金)(独)教員研修センター
四街道養護学校 米倉 勤 事務長
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1 「教育改革の流れと取り組み」・・・文科省 布村審議官 | |||
戦後の教育改革の流れと現在の教育改革について | |||
2 「学校安全管理」・・・兵庫教育大学 西岡教授 | |||
安全管理(学校環境・学校生活・事件、事故、災害発生・通学)について総合的に 考えることにより、お互いが補完するような合わせ技にすることが大切であり、併せ て、事件事故や災害が発生した場合に適切な措置が出来るような体制の確立が必要である。 また、児童生徒への安全教育と安全管理とは表裏の関係にあり、一緒に考えて行っていくことが重要である |
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3 「研修講師となるための知識・技術」独立行政法人教員研修センター ・・・山口主任指導主事 |
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必要な知識・技術の留意点を習得し、自らが講師となったり、あるいは講師となる人の指導をしたりする際に、それらを生かすことができるためのプログラムの演習。 | |||
4 「危機管理と個人情報保護法」・・・パームコンサルティンググループ 伊原代表 | |||
(1)危機を招く「3つの内部要因」 | |||
@最大の原因は全教職員の“危機意識の欠落” ・「たいしたことにはならないだろう」「何とかなるのでは」「よくあることさ」などこういう考えが心をよぎったときは要注意 A職場での“情報ブロック”と“内部処理”が危ない ・トップに知られたくない“情報ブロック”意識が、リスクを呼び込む ・自己保身から生じる、問題の“内部処理” B問題があっても指摘しにくい「職場風土」 ・耳の痛い話を聞きたがらない管理職のいる学校 ・風通しの悪い学校には必ず危機が訪れる |
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(2)危機を防止する、職場における「10の行動指針」 | |||
「学校のものさし」ではなく「社会のものさし=目線」で見る @「ちょと変だな」「大丈夫かな」という意識を持ち仕事をしているか Aコンプライアンス(法令遵守)をはみだした行為をしていないか B社会的責任または、道義的責任からみて問題はないか C生徒の立場と目線、市民の顔を思い浮かべて行動しているか D職場の疑義事項を「みざる、いわざる、きかざる」でうやむやにしていないか E一つのクレームにも、迅速・的確に誠意を持って対応しているか Fそのことを誰(生徒・保護者・市民・当局)に対しても堂々と説明できるか G敏腕な社会部記者が知っても問題にならないかを考える H「学校の常識」ではなく「社会の常識」で判断しているか I「リスク記事」を教訓とする |
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5 「学校組織マネジメント」・・・山形大学地域教育文化学部 加藤助教授 | |||
(1)企業や自治体で実施されている組織マネジメントの習得 (2)変化に対応した新しい学校づくりのノウハウを獲得し、学校運営の改善に資するために演習 |
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6 班別協議「学校安全管理」 | |||
班ごとに「学校安全管理」について協議を行い、午後4班で1グループを形成し、グループごとに班別の発表を行った後、優秀な4班を選び全体会場で発表 | |||
7 「公務員制度の改革と事務職員への期待」・・・総務省人事・恩給局 内田労働担当参事官補佐 | |||
(1)公務員制度の改革 | |||
@新たな人事評価制度の構築 A給与制度の改革(平成17年度の給与勧告) ・地場賃金を反映させるための地域間配分の見直し ・退職手当制度の見直し ・在職期間中の貢献度をより的確に反映できる制度への構造見直し B市場化テスト |
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(2)公務員制度改革や教育改革の動向を踏まえ、学校事務職員には何が期待されているのか? | |||
@諸制度改革の動向を注視し、学校の方針決定へ参画する A各学校の多用な重要方針に沿った事務の効率化 B本務以外の教育活動等への参画 |
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8 「信頼される開かれた学校づくり」・・・東京都立つばさ総合高等学校 山上校長 |
丸会長挨拶
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(1)学校開設と特色化 (2)学校経営を開く民間ノウハウ (3)開かれた学校経営システム (4)「つばさ総合高校」の実践例 (5)業務改善をするときに「悪魔のサイクル」を排除することが大切である |
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「悪魔のサイクル」とは | |||
・発言者が偏った総意尊重型の運営 ・新規な提案は採用されない ・無難な前年踏襲の教育活動 ・意欲的な教員がやる気を無くする |
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組織的に動かないサイクル(繰り返す) | |||
・互いの情報・ノウハウ交換が少ない ・情報不足・世間知らずの判断行動 ・クレームや悩みを一人で抱え込む ・個人活動中心、協働活動がうまくいかない |
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