平成16年度 事務長研修会 |
back | 平成16年7月27日 午後1時40分から | |
於 ホテルグリーンタワー千葉 | ||
講演「管理職に求めること」 |
白鳥製薬(株) 代表取締役社長 白鳥 豊 氏 | |
1 白鳥製薬(株)の紹介 | ||
白鳥製薬は国内初のカフェインメーカーとして、1916年習志野市で創業した。 カフェインは医薬品として、風邪薬、鎮痛剤、滋養強壮剤として広く使用されているほか、清涼飲料水の食品添加物として使用されている。 現在は医薬品である抗ガン剤等の原料薬、液晶(携帯電話、テレビ)の原料、健康食品の製造販売もしている。 白鳥氏は1980年に入社。 |
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2 世界経済の変化 | ||
入社後10年間は良き時代であり、経済大国ニッポンとして世界に横臥していたが、1985年アメリカ主導で行われた「プラザ合意」により変化が始まった。ニクソン・オイルショックもあったが1ドル340円くらいから一夜にして240円になったりして、高度成長時代から安定成長時代に変わった。日本は輸出中心の国であったので厳しい状況であった。 1990年にバブルが崩壊し、「しがれた10年」と言われ日本経済はナンバー1から20位後半まで落ちてしまった。最近、底離れして景気も上向きになったと言われるが実感がないのが現状である。「プラザ合意」からバブル崩壊までの5年間はうまく乗り切ってきたが、バブル崩壊からの十数年は後手後手に回って今日に至っている。 経済変化の原因として1989年に東西冷戦が終結したこともある。それまでは東西陣営の大国の軍拡競争が続き、緊張した世界の中で、日本だけは安全保障の名のもとに経済分野で発展していた。日本だけが何の心配もなく原材料を輸入し、製品として世界各国に輸出し経済成長してきた。冷戦終結後、アメリカは軍備に金をかける必要がなくなり、国内の経済に専念できるようになった。東欧諸国も、約束を守る優秀な労働力と安い賃金で物を作れるようになった。そういった事実になかなか気づかず、普通の景気後退が激しいだけで、じっとしていれば回復するというのが日本のリーダーに多くいた。IT革命も加わり、誰でも経済に参加できる時代になり厳しい状況を加速した。 |
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3 管理職としてどう行動しているか | ||
会社の目指す方向を明確にして、実現可能な組織、企業文化の確立を実現している。そのためにも企業ブランドを大切にしている。創業から約90年経過したが、職場には良き文化、悪しき文化がある。従来の文化と決別して社員、役員が信頼の心を持って仕事ができる企業文化を創造しようと働きかけている。具体的には経営理念と経営ビジョン「配付資料参照」を作成して、人としての生き方、正義感(誠義感という)について実践を通して経営理念を叶えるよう努力している。 *詳しくは配布資料参照のこと なお、管理職として欠如した経営理念(倫理観)をもった事例として日本ハム社長交代、三菱自動車のリコール問題、近鉄オリックスの合併問題、一億円の政治献金問題、社会保険庁長官の収賄問題を挙げられた。また、良きリーダーとして「しなの鉄道」を再建させた杉野 正氏やウェザーニュースを創業した石橋 博良氏、先人の言葉として「佐藤 一斎」「中村 天風」「小林 一茶」「豊臣 佐吉」「サムエル ウルマン」を紹介された。 |
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4 管理者として | ||
管理者(リーダー)は自己観察と自己分析に優れていて、真実を聴く耳を持つことが必要である。また仕事での失敗や人としての欠点を一時的なもので途中経過に過ぎないという考えを持ち、部下の心に訴えるビジョンを打ち出すことが管理者の仕事である。 企業人として、顧客市場が何を求めているか、社会が必要とするものをつかんで創造するということが大切である。また、売れば売るほど企業の責任は大きくなっていくということを認識する必要がある。 |
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